Voice & Report: 抗体工学を駆使し、がん幹細胞を狙い撃つ

User's Voice vol.31

進行したがんは手術しても再発しやすく、また全身に転移すると手術もできなくなりますが、抗体医薬を使えば副作用を抑え、進行がんを治療できると期待されています。東京大学先端科学技術研究センターの杉山暁氏らのグループは、FIRSTで得られた研究成果をもとに、ヒト化抗体や抗原への親和性を高めた低分子抗体scFvの作製を通して抗体医薬への貢献を目指しています。Read More

Date Posted: 06/05/14

Voice & Report: 時計遺伝子を軸に研究と医療の現場をつなぎたい。

User's Voice 30

およそ一日周期で体温や行動のリズムが継続する動物の概日時計。哺乳類では、脳の視床下部に存在する視交叉上核を中枢とする時計遺伝子の転写・翻訳のフィードバック機構が、概日リズム発振の分子基盤として知られています。埼玉医科大学医学部の池田正明氏は、コア時計遺伝子Bmal1を世界に先駆けて発見し、続いてその機能を補完する時計遺伝子Bmal2を同定しました。時計遺伝子を軸に研究と医療の現場をつなぎ、臨床医の育成にも取り組む池田氏に、iBind™ Western Systemの活用法を伺いました。Read More

Date Posted: 04/02/14

Voice & Report: 幹細胞研究から、歯や歯周組織の再生へ

User's Voice 29

高齢で歯を失う第一の原因は、歯周病の末期症状です。歯周病の有病率は歳を重ねるごとに上昇し、50代後半になると5割近くに達するという報告もあります。「歯と骨をつなぐ歯周組織には、歯を支える大切な役割があります。私たちは、この組織の再生を目指して研究を進めています」と日本大学歯学部准教授の本田雅規氏は語ります。一年前からEVOS® XL Imaging Systemを使い始めた本田氏は「顕微鏡をのぞく時代は終わった」ともコメントします。Read More

Date Posted: 04/01/14

Voice & Report: 血栓性血小板減少性紫斑病の確実な遺伝子診断を目指して

User's Voice 28

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、細動脈に血小板血栓が生じることで神経障害や腎障害等を引き起こす全身性の疾患です。血小板凝集を調節するプロテアーゼADAMTS13の著しい活性低下が発症につながり、先天性TTPではADAMTS13の遺伝子異常が原因となります。国立循環器病研究センターの小亀浩市氏は、奈良県立医科大学輸血部の藤村吉博氏らの研究グループとともに、TTPの研究に携わってきました。現在、患者本人のサンプルだけでクローニングなしでハプロタイピングする方法をデジタルPCRシステムで開発中です。Read More

Date Posted: 03/30/14

Voice & Report: 2500人の唾液サンプルをIonPGM™ システムでメタ16S解析

User's Voice 27

「2007年と2012年の久山町住民一斉健診において採取した約2500人の住民の唾液サンプルを現在解析中です。歯周病等の口腔疾患は、従来まで病原菌の探索が主流でしたが、近年口腔内の細菌叢のバランスとの関係や病原菌をアシストする細菌の存在等、様々な可能性が示唆されています。私たちは、まず多くの方のデータから口腔マイクロバイオームの構成バランスの個人差を明らかにし、その研究を通して疾患の原因解明に迫りたいと思っています」と九州大学歯学研究院准教授の竹下徹氏は語ります。久山町コホート研究は、・・・Read More

Date Posted: 03/29/14

Voice & Report: 植物の「境界細胞」を鮮やかに検出

User's Voice 25

「植物では、分裂する細胞は根と茎の先端に集中し、それ以外の細胞では、複製でゲノムが増えても分裂せず、体積を増やして伸長するだけ。もしこの分裂と伸長のバランスをコントロールできれば、自在に植物をデザインできるはず。ですから、その『境界』を見極め、移行する機構を明らかにすることを世界中が注目しています」。こう語るのは、東京理科大学の松永幸大氏。概念として提唱されてきた「境界細胞」を実体として世界で初めて捉えます。Read More

Date Posted: 02/05/14

Voice & Report: 骨髄増殖性腫瘍の分子基盤解明から病態診断法開発へ

User's Voice 26

白血病をはじめ、様々な血球の腫瘍化により引き起される造血器腫瘍。順天堂大学の荒木真理人氏は、そのようながんをテーマに、基礎研究成果の臨床応用を目指しています。「ある種の骨髄増殖性腫瘍では、チロシンキナーゼのJAK2遺伝子の変異によって、JAK2シグナル伝達系が恒常的に活性化し、それが細胞の腫瘍化を引き起こすと考えられています。私たちは、血液細胞中のJAK2遺伝子の変異を定量することで、この症例の病態を理解できないか検証中です」。荒木氏は、血液内科の小松則夫教授の協力を得て、共同研究者の森下総司氏とともに、現在までに約1000検体の造血器腫瘍に関連する解析を行ってきました。Read More

Date Posted: 02/04/14

Voice & Report: 乳がんの腫瘍マーカーとして期待される血中の微量DNA変異

User's Voice 24

生活様式の欧米化にともない、日本でも増加している乳がん。早期発見や適切な手術後の経過観察が重要視されています。この時、役立つのが腫瘍マーカー。「すでにいくつかのタンパク質の腫瘍マーカーが使用されていますが、今後は感度の高いマーカーとしてDNAが注目されています。乳がん組織から血中にこぼれ落ちた微量なDNAを腫瘍マーカーとして使う研究が進みそうです。」こう話すのは、大阪大学医学部の加々良尚文氏。大学院生の大城智弥氏とともに乳がんの腫瘍マーカーとして、血中に存在する微量なDNA変異の検出方法を開発中です。Read More

Date Posted: 02/03/14

Voice & Report: 高いポテンシャルを有する脂肪幹細胞で再生医療研究を加速

User's Voice 23

産業技術総合研究所の木田泰之氏は、脂肪由来の間葉系幹細胞の「脂肪幹細胞」研究から、全身のメタボリズム、病態の解明、そして再生医療の実現を目指しています。「脂肪幹細胞」は、骨髄幹細胞同様、様々な細胞への分化誘導が行えます。木田氏が、脂肪幹細胞の再生医療研究における可能性について語ります。Read More

Date Posted: 12/10/13

Voice & Report: 神経幹細胞における非対称分裂のシグナル伝達機構を探る

User's Voice vol.18

理化学研究所の吉浦茂樹氏は、「神経幹細胞は非対称分裂により、神経幹細胞と神経前駆細胞(GMC)という2種類の細胞を生み出します。この時神経幹細胞は、上皮細胞に対して必ず垂直に分裂します」と語ります。そして「この分裂は個体発生における形態形成に重要な役割を果たし、ショウジョウバエの神経幹細胞では中枢神経組織の成長の方向が決まっていきます」続けます。吉浦氏に、非対称分裂の意義と研究の進展について伺いました。Read More

Date Posted: 10/21/13