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元素分析は、エネルギー分散型X線分光法(EDS、EDX、またはXEDSとも呼ばれる)の基本的なアプリケーションです。EDSでは、電子顕微鏡像に重要な組成情報を付加し、試料の形態および化学的な知見を得ることができます。EDS分析が電子顕微鏡の手法として日常的に使用されるにつれ重要視されているのが、EDSの速さと感度の向上です。サーモフィッシャーサイエンティフィックは、S/TEM用に設計された独自のThermo Scientific ChemiSTEMテクノロジーを提供しています。これは試料から発生するX線と検出器に取り込まれるX線の両方を最適化しています。ChemiSTEMテクノロジーは、迅速なEDSマッピングと微量元素の検出を行うことで、S/TEMを用いたEDS分析の有用性とパフォーマンスを拡大します。また、Thermo Scientific ChemiSEMテクノロジーは、SEMで常時オンで使用可能で誰でも元素データを取得でき、これまで以上に完全な情報を、簡単に得ることができます。
高効率EDS検出システムは、ナノメートル以下の分解能での高速分析を実現します。従来のシングルシリコンドリフト検出器(SDD)システムと比較して、ChemiSTEMテクノロジーではX-FEGで最大5倍までものX線を発生させ、Super-X 検出器システムで最大10倍までものX線を収集することが可能です。
さらに、ChemiSTEMテクノロジーは、SDDの高速化により、従来のシリコンリチウムX線検出器と比較して数倍のスピード向上を実現しています。同等条件のEDSマッピングでは、ChemiSTEMシステムは、「時間単位から分単位へ」分析時間を短縮します。以下の例に示すように、ライブマッピングも実行可能です。
センサー感度が優れているため、元素分布はライブで処理されます。初回スキャンの段階で、すでにデバイス各部の組成が明らかです。3スキャンのみで、最終的な複合および単一元素マップは生成されました。
Super-X検出システムは、4つのSDDを搭載し、微量元素の検出に重要な感度を大幅に向上させました。右の例は、NIST認定の鉄鋼標準試料(標準参照物質NBS No. 461)を用いてChemiSTEMテクノロジーの感度限界を示したものです。この低合金鋼は、バルクにおいてヒ素(0.028 wt.%)、バナジウム(0.024 wt.%)、スズ(0.022 wt.%)の各元素濃度が保証されています。試料の微細構造全体の組成を平均化するため、ミクロンサイズの領域をスキャンしながら、ビーム電流1.7 nA、600秒でスペクトルを取得しました。
この例では、低濃度(約0.02 wt.%)の微量元素の検出が10分で可能であり、実用的であることを示しています。
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新材料開発では、その物理的および化学的特性を最大化するために、より小さなスケールでの研究がなされています。電子顕微鏡は、マイクロスケールからナノスケールのさまざまな材料特性について重要な情報を研究者に提供します。
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